ふく動物病院

診療科目

DPOについて

幼犬の股関節形成不全(CHD)に対するDPO(2点骨切り術)の安全性について・・
生後4〜9ヶ月の股関節形成不全(CHD)を抱える幼犬に対して行われるDPO(2点骨切り術)は、アメリカの専門医からも「従来のTPO(3点骨切り術)よりも合併症率が低く、極めて安全な手術」と高く評価されています。その合併症率は約8%と報告されており、非常に安全性が高い術式と報告されております。

「↑Plastic bone created using a 3D printerを用いた、TPO(DPO)の術前、術後の左右で寛骨臼の被覆率の比較のX線」

半月程の被覆率が円形に変わっていることが観察されます。この模式図が本治療を視覚的に如実に表しております。実際のデータ: 305頭(458肢)の大規模研究では、全体の合併症率は8.2%、そのうち再手術が必要な重大な合併症(Major Complication)はわずか0.6%と報告しております。

 

TPOとの比較: 従来のTPOはスクリューの緩みや骨盤腔の狭窄などの合併症率が 35%〜70% と高頻度でした。坐骨を切らないDPOの登場により、骨盤の安定性が劇的に向上したため、アメリカでも若齢犬の初期治療として好まれています。

ふく動物病院の願い!
世界の獣医整形外科医療における、犬の股関節形成不全の治療の課題は大きく、
診断が遅れ、放置した場合には、大腿骨頭切除術(FHO)もしくは人工関節(THR)を選択しなければなりません。
一次診療施設にて、早期に股関節の問題を検出することで、DPOを選択することは、将来的な(FHO)(THR)を回避することが
できる、またTPOより骨切部分が少ない点、合併症率が低い点が、動物、飼い主さんにメリットが大きいと考えます。
診断プロセスや適用など慎重な判断が望まれますが、将来的なFHO、THRのリスクと現在の臨床症状、股関節の緩みの程度を天秤にかけて早期に治療することが望まれます。

「当院で施術のDPO、5ヶ月齢の犬の症例」

references
Zamirbekova, Uzunlu & Arıcan (2024): Double Pelvic Osteotomy (DPO) in Canine Hip Dysplasia – Clinical and Radiographic Evaluation. (Acta Scientiae Veterinariae)

概要: 股関節形成不全の犬に対してDPOを実施した症例の、術後臨床経過とレントゲンによる評価(骨や関節の角度の変化など)を詳細に追跡している最新のスタディです。

2026年7月1日