ふく動物病院

診療科目

ビタミンA過剰症

栄養性疾患の一つであり、良質なペットフードが普及した現在では非常に稀な病です。

<症状>
頸部痛や歩様失調、前肢の不全麻痺、跛行がみられます。
栄養性疾患のため、被毛は粗造であることが多く、体重減少や食欲減退といった症状も見
られます。
肩関節や肘関節に異常が認められる場合には、後肢のみで起立するような姿勢をとること
もあります。
頸が痛いことが多いため、毛づくろいができなくなります。

<原因>
脂溶性ビタミンの1つであるビタミンAの過剰摂取によりおこります。
猫の方がなりやすいといわれており、レバー中心の食生活を送っている猫でみられると報
告されています。
ビタミンAを含むサプリメントや添加剤の多い食事でも引き起こされます。

<診断>
単純X腺検査にて、関節や骨の異常を検出します。
血清レチノールの濃度や、肝細胞内レチノールを測定することが診断の助けとなることが
あるようです。

<治療>
食餌内容の変更や過剰摂取を中止することです。
程度によるようですが、1年程度で体内に蓄積したビタミンAを枯渇することができます。
その他、疼痛緩和やリハビリも治療の対象になります。