⑦末梢性前庭疾患
前庭器官の機能低下により生じる平衡感覚障害を“前庭障害”といいます。中枢性と末梢性に大別され、末梢性前庭障害は脳以外(前庭器や前庭神経)の異常に伴って生じる疾患です。
症状は軽~重度まで様々で、時折てんかん発作と間違われる場合があります。
<症状>
中枢性と同様に、主な症状は捻転斜頸や運動失調、眼振、嘔吐または吐き気です。固有位置感覚の異常および不全麻痺、意識レベルの低下、斜視がみられる場合もあります。
末梢性の前庭障害の場合、垂直眼振は認められません。
<原因>
末梢性前庭障害は以下のように分類されています。
<診断/治療>
原因となりえる疾患を精査し、原疾患に対する治療を行います。
神経学的検査、血液検査、画像検査により他疾患を除外した後、原因不明の場合を“特発性”前庭疾患とします。
特発性の場合には、時間とともに改善していくことが多いです。症状がひどく、食事もうまく取れなくなる動物も多く経験します。当院では急性期にいる動物とご家族のQOLを向上させるためにお手伝いさせていただきます。