⑥中枢性前庭障害
前庭器官の機能低下により生じる平衡感覚障害を“前庭障害”といいます。前庭障害の原因によって中枢性と末梢性に大別されます。中枢性前庭障害は、頭蓋内(脳内)の異常に伴って生じる疾患です。平衡感覚の異常により、動物は転倒やパニックに陥ることがあるため“てんかん発作”と間違われる場合があります。
<症状>
平衡感覚の異常により生じ、基本は片側性の症状を呈します。
主な症状は、捻転斜頸や運動失調、眼振(水平または垂直、回転など)、嘔吐または吐き気です。ほかにも、固有位置感覚の異常および不全麻痺、意識レベルの低下、斜視がみられる場合もあります。
<原因>
中枢性前庭障害の原因には以下の2つが挙げられる。
・脳自体に構造的な異常がある場合
・脳に障害を来す他疾患がある場合
また、以下に分類される
<診断>
既往歴、神経学的検査、血液検査、画像検査により総合的に判断する必要があります。
まずは無麻酔でできる検査を行い、必要に応じてCT検査やMRI検査、脳脊髄検査を提示する場合があります。
<治療>
原因によって治療が異なります。そのため、前庭障害の原因精査は重要です。