肺高血圧症(Pulmonary Hypertension)
現在の小動物臨床現場において、犬と猫においても肺高血圧症は比較的頻繁に遭遇する病態となってきております。
小動物臨床における心エコー装置の普及に伴い、肺高血圧症の臨床診断が可能な施設が増え、検出力の向上していることも1つの理由とも言われております。
それに伴い犬と猫においても肺高血圧症に対しての治療を実施する機会も増えてきております。
「肺高血圧症と診断された犬の胸部X線画像」
「同症例の心エコー図像:三尖弁逆流と右心房の拡大を認めます」
「右心圧の上昇に伴う心室中隔の扁平化が認められます」
「肺高血圧症の治療」
右心不全および体液貯留に対する利尿薬投与
酸素吸吸入(在宅酸素室)
抗血栓療法
などが人の医療を通じても一定の有効性があると考えられますが、獣医領域ではまだまだ検討が必要と考えており、長期的な予後はなかなか難しいと考えております。
2015/01/01