ふく動物病院

診療科目

歯科におけるX線検査の有用性について

人医療ではあたりまえに行われている歯科X線検査ですが、獣医医療では人医療ほど簡単ではありません。
特にX線撮影の際には麻酔処置が必要となるケースが多く、獣医医療の難しさを痛感します。


典型定期な歯根膿瘍がX線検査で確認された症例
ラルフ003.jpg
「ガスキャップ像が認められる。歯根部に黒く抜ける所見が認められる」
本症例の場合には下顎臼歯のガスキャップ像ですから、通常のX線検査でも撮影角度により病変を描出することができました。しかし上顎の病変では診断と評価は難しくなります。

歯科レントゲン.png
「歯科用X線により上顎の歯槽骨の融解が診断された」
本症例では麻酔処置下にて歯科用X線機器にてX線撮影を行いました。

口鼻腔ろう外貌.JPG
「抜歯時に口腔鼻腔瘻が認められた」
歯科レントゲン機械.png
「歯科用X線装置DX3000」

口腔鼻腔瘻は歯科疾患を原因として、口腔と鼻腔に穴が開いてしまい、慢性的な膿性鼻汁やくしゃみ、皮膚感染を誘発する疾患です。
歯科に対するX線検査は動物病院では省略されることがありますが、抜歯が必要な際に周囲組織の評価が可能となります。

2022/07/01