ふく動物病院

診療科目

猫の先天性内反足(congenital clubfoot)(第98回獣医麻酔外科学会アワード受賞)


4ヶ月例の猫の内反足CT画像
猫の先天性内反足は非常に珍しい症例です。後肢の内反変形が認められ、足首が曲がりません。

猫の内反足(治療前後).png
「猫の先天性内反足の治療前後のX線画像」

本症例の治療法は
第98回 日本獣医麻酔外科学会「先天性内反足の猫の1例」
第11回アワード受賞 整形・神経部門 優秀賞を受賞しました。

人医領域では広く知られている疾患ですが、小動物領域では、猫の整形外科の成書にも記載はなく、獣医領域では明確な治療のガイドラインはありませんでした。
当院では複数の自験例の蓄積により、概ね良好な治療経過が得られるようになりました。


猫の内反足(治療前後).png
初診時〜治療後2週間〜成長後の経過


片側内反足の猫(治療前後)
↑こちらは片側の症例です。片側のみが内反足の症例も見受けられます。
本症例は非常に珍しい症例ですが、先天性の骨格異常ですから、成長過程の早期に診断と治療が必要です。
片側内反足の猫②(治療前後)
↑こちらも片側の症例です。本症例は内反変形が強く、少し治療に時間を要しました。
詳細は動画にて参照ください。

人医療の場合でも早期に適切に治療介入することが後遺症を減らすことにつながるようです。
通院での治療も可能な症例ですが、遠方からの来院の際には1−2週間ほど複数回の経過観察、術後調整が必要ですので、当院で入院対応も可能です。


こちらは猫の反張膝(はんちょうしつ)と内反尖足の併発症例です。
反張膝(はんちょうしつ)と内反尖足の併発症例
反張膝(はんちょうしつ)と内反尖足の治療前後比較

猫は約半年で性成熟することから、人医領域よりもより早期な対応が必要と考えられます。

同様の症例がありましたら、ふく動物病院へご紹介ください。

2024/10/01