小型犬の橈骨尺骨骨折
近年の小型犬ブームによりポメラニアン、パピオン、トイプードルなどの小型犬の前肢の骨折が増えています。(橈骨、尺骨骨折)
「症例1」
「イタリアングレーハウンド橈骨・尺骨骨折:術前X線」橈骨遠位端横骨折
「イタリアングレーハウンド橈骨・尺骨骨折:術後X線」
(SYNTHES社製 LCP コンディラープレート 2.0mmを用いて治療)
「症例2」
<1歳 イタリアングレーハウンド 橈骨尺骨骨折>
(SYNTHES社製VP LCP ストレート 2.0 長 55mm 8穴 を用いて治療)
ここ数年はイタリアングレーハウンドの骨折が多いように感じます
<3歳 Tプードル 橈骨尺骨骨折>
(SYNTHES社製VP LCP ストレート 2.0 長 55mm 8穴 を用いて治療)
<1歳 Tプードル 橈骨尺骨骨折>
(SYNTHES社製LCPコンディラープレード2.0 長 54mm 7穴(一部切断)を用いて治療)
橈骨遠位の骨折にも対応可能です
<7ヶ月ミックス犬(チワワ× Tプードル) 橈骨尺骨骨折>
(SYNTHES社製VP LCP ストレート 2.0 長 41mm 6穴 を用いて治療)
骨折の治療は骨折面のズレが少ない場合は外副子(ギブス)による整復も可能ですが、骨折面が斜めであったり(斜骨折)骨折面のズレが大きい場合には整形外科による正常位置への整復が必要となります。
また安易に外副子を選択してしまい、本来治るはずの症例が癒合不全(骨がつかない)や癒合遅延と言われる状態に陥り、最悪のケースとして断脚せざるえない症例もあります。
当院では骨折の種類や解剖学的な部位、年齢、応じて外固定、ロッキングプレート、ピンニング、海面骨移植、創外固定などを選択し治療を行なっていきます。
当院で橈骨・尺骨骨折の手術を行った場合、通常1週間以内で患肢に負重が始まります。(折れた肢を使えるようになります)入院の目安としては2-3日程度の入院となります。その後の通院は1週間間隔での通院となります。症例の性質上、院内で安静にできない場合には状態により飼い主様との相談にて退院が早まることもあります。
2020/06/01