ふく動物病院

診療科目

皮脂腺腫

3歳7ヶ月の頭部腫瘍の症例です。


他院にて乳頭腫と診断が出ていた症例です。
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表面は自壊していますが、全身状態もよく一般検査も問題ないので、切除→病理検査となりました。

以下病理診断のコメントです。

皮脂腺由来の良性腫瘍である皮脂腺腫は、フェレットの皮膚腫瘍の中でも比較的多い皮膚腫瘍の一つです。
特にフェレットでは皮脂腺腫が大きくなると隆起した腫瘤を形成し、しばしば潰瘍を伴うこともあります。発生部位としては体幹部あるいは尾など様々な部位に発生します。
臨床的には、皮脂腺腫は発見が早く、またマージンを確保した摘出が可能であるため転移の報告はありません。

本症例では、皮脂腺由来の腫瘍細胞の増殖が認められます。しかし腫瘍細胞には顕著な異型は認められず悪性所見も観察されないことから、良性の皮脂腺腫と診断されます。

予後については、良性の皮脂腺腫と診断されること、マージンも確保され脈管侵襲像も観察されないことから、切除後は再発および転移なく良好です。

なお、皮脂腺腫は外部からの刺激に非常に弱くもろい特徴をもち、しばしば自潰による炎症、出血や感染を引き起こします。またフェレットの皮膚には悪性リンパ腫などの悪性腫瘍も発生することがありますが、肉眼では良性腫瘍との鑑別は困難です。そのため皮膚の腫瘍病変は今後とも早期に切除してください。

との事です。
ちなみに皮脂腺癌はこちらです。

術後の経過も良好で病理結果どうり再発もなく治療は終了しました。