ふく動物病院

診療科目

犬の認知症について

近年、動物医療の高度医療化に伴って「犬の認知機能障害(認知症)」が増えています。

加齢に伴って脳の機能は衰えますが、認知症の場合は正常な加齢の範囲を超えて認知機能が低下します。

犬では認知機能不全の危険因子がいくつか報告されており、犬種や低品質な食餌、特発性てんかんがある場合にリスクが高まります。

以前より、認知症は日本犬に多く発症し、症状が重いことで知られています。

しかし、日本犬は海外での飼育頭数が少なく、日本犬特有の認知症に関する研究は行われていません。

認知症を発症した犬は以下のような特有の行動をとることが知られています。

「認知症」と「加齢や持病に伴う症状」の区別は非常に困難で、脳腫瘍や代謝性疾患、問題行動などとの鑑別が重要です。

臨床現場では、認知機能評価表や神経学的検査の結果に加え、ご自宅での様子をお聞きした上で診断を行います。

認知症は、薬物療法、食餌療法、サプリメントなどで症状が緩和することもあります。

その治療効果は個体差が大きいため、その子にあった治療を一緒に探していきましょう。

※当院では、麻布大学と共同で「日本犬の認知症研究」を予定しています。

11歳以上の日本犬および日本犬系雑種を飼っておられるご家族に研究への協力をお願いする場合があります。

今後の獣医療発展のためにご協力お願い致します。