猫のアトピーについて
猫のアトピーは、環境抗原に特異的なIgE抗体に関連して、掻痒性皮膚疾患を引き起こす1型過敏反応とされ、 猫のアトピーは、ノミアレルギー性皮膚炎に次いで猫で2番目に多いアレルギーと報告されております。(海外の報告ですが)
11年間(2001年から2012年)にわたって収集されたデータを用いた後ろ向き研究では、猫のアトピーの有病率は12.5%であると報告されました。
※猫のアトピー(猫のアトピー性皮膚炎):非ノミ、非食物アレルギー性皮膚炎、
「腹部脱毛」
「腕の脱毛」
「治療と管理について(Treatment and management)」
猫のアトピーの管理は生涯に行う必要があります。通常、ご家庭で猫の為にさまざまな治療やライフスタイルの変更や調整が行われます。病気の重症度、管理のコンプライアンス、併発疾患に応じて、個別の治療計画が設計されます。
薬物療法による試験的治療は検査の代わりになるべきではありませんが、グルココルチコイドまたはシクロスポリンによるそう痒症の対症療法は猫の生活の質を向上することに役立ちます。
猫は一般にステロイド治療の副作用に対してより耐性があるため、この治療は犬よりも頻繁に使用される傾向があります。しかし、長期のステロイド療法では、継続的なモニタリング、および「クライアントエデュケーション(飼い主様教育)」が必要です。
ステロイド療法を継続される場合、使用は可能な限り低い頻度まで漸減されるべきです。一部の獣医師ではかなり頻繁に使用する場合もありますが、猫の最大11%で生命を脅かす心臓への影響が確認されていると報告もあり、長時間作用型の注射用ステロイドは最後の手段としてのみ使用する必要があります。
その他の全身性の副作用には、糖尿病や尿路感染症などが挙げられます。
Dr. Bajwa Atopic dermatitis in cats CVJ / VOL 59 / MARCH 2018
2020/12/30