診療科目

犬・猫

  • 猫の前縦隔型リンパ腫(T-cell high grade LSA)

    呼吸困難、食欲減退を主訴の猫が来院しました。



    院内X線検査、細胞診で前縦隔型リンパ腫と診断されました。
    前縦隔型リンパ腫1.png
    「初診時X線所見」
    胸部X線検査では心陰影が認められず、胸水貯留が認められます。


    前縦隔型リンパ腫3.png
    「初診時細胞診検査」


    多数のリンパ球系細胞が採取され、これらの細胞は中型~大型の類円形核を有し、クロマチン濃縮性は未熟です。
    核には不整な切痕、弯入等の多形性が軽度に認められ、核小体は小型、複数であり、核内における核小体分布パターンはおおむね偏在性です。核分裂像は散見され、細胞質は類円形を呈し、染色性は好塩基性です。
    リンパ球の芽球比率は80%程度と上昇しております。


    以上の所見から、リンパ球系細胞には分化・成熟異常が存在すると考えられます。


    前縦隔型リンパ腫2.png
    「化学療法による治療後のX線画像」
    肺野の透過性の改善が認められ、治療反応は良好と判断されます。


    本症例は外部検査機関による遺伝子再構成検査、および細胞診の結果から、Tcell起源の低分化型リンパ腫と診断されました。
    猫縦隔型リンパ腫に関するまとまった報告は少ないのですが、治療反応は比較的よいものも多く、生存期間で197日から2520日という報告もあります。(mediastinal type LSA Survial duration:197-2520days,2008年,D.simon)初期の治療反応のよい症例に関しては継続して治療を行うことを推奨します。

    2019/05/10

ページの先頭に戻る