診療科目

犬・猫

  • 胆嚢・胆管外科

    胆嚢に関する治療に際しては、臨床症状のない症例は可能な限り内科的な管理を推奨します。
    閉塞性黄疸や胆嚢炎に準ずる臨床症状が認められて、内科的な管理が困難であれば外科的な介入を行います。

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    「胆管閉塞が認められた症例の超音波検査画像」
    胆嚢がX線で描出される.png
    「X線検査で胆嚢が描出されるほどの胆石」
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    「胆嚢摘出(同時に胆管閉塞の解除)」

    急性胆嚢炎の原因は人医領域では90%が胆嚢内が原因と報告されております。発症当初の臨床症状は痛みのみであるが、しだいに胆嚢は腫大、壁肥厚が認められ滲出液を伴うようになります。当初は無菌性の胆嚢炎の状態ですが、放置することで腸内桿菌や球菌や嫌気性菌の影響を受ける。さらに病態が進行すると、腹膜炎の状態になります。
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    「摘出した腫大した胆嚢」


    無症候性の胆石についての外科適用の有無は人医領域でも古くから議論されております。
    獣医領域でも同様に議論されておりますが、少なくとも当院では黄疸などの臨床症状が強く示唆されていない症例に関しては外科的な介入は慎重に選択するべきと考えております。
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    「胆嚢破裂の症例(胆嚢摘出後の胆嚢と漏出した胆嚢内容物)」


    一方で、仮に胆嚢破裂した症例でも黄疸が認められず、肝数値もそれほど上昇しない症例も存在します。
    このような症例では腹部の超音波検査や腹水の性状検査が重要となります。


    胆汁性腹膜炎の死亡率は 68%との報告もあり、胆汁性腹膜炎の予後は、胆汁の漏出の程度、腹膜炎の限局性、細菌感染の有無によって異なります。胆汁性腹膜炎に細菌感染を併発していた場合の生存率は 27 ~ 45%と報告されておりますが、感染を伴わない胆汁性腹膜炎では、72 ~ 100%との報告もあります。これまでの報告で犬の胆石症の 31 ~ 75%が診断時あるいは手術時に細菌感染認めたとも報告されております。


    [reference]
    Evidence-based Clinical Practice Guidelines for Cholelithiasis 2016(2nd Edition)
    Aguirre AL : Textbook of Veterinary Internal Medicine. 7th ed, 1689-1695, Elsevier, St. Louis(2010)




    2021/03/15


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