診療科目

腫瘍科

  • 犬の肥満細胞腫(Mast cell tumor)

    犬の肥満細胞腫(MCT)は犬に認められる一般的な腫瘍です。その治療を成功させる為には外科療法、放射線治療、化学療法(ステロイド療法を含む)などを単独、併用していくことが重要です。



    「フレンチブルドック:鼻鏡横の皮膚肥満細胞腫の症例」


    下顎のリンパ節よりコア生検を実施した所、病理組織診断にて皮膚肥満細胞腫と診断されました。
    外科治療を行う場合には鼻鏡の横である為、マージンの確保が困難であると考えられます。
    また、十分なマージンを確保する場合には外貌の変化を飼い主様は受け入れる必要があります。


    本症例は飼い主様と相談の結果、分子標的薬とステロイドを中心とした内科的治療(緩和療法)を実施しました。
    MCT横顔.png
    初診時 外貌


    MCT治療反応比較.png
    (分子標的薬+ステロイド療法後)腫瘍の明らかな縮小が認められます


    「雑種犬:膝関節尾側の皮膚に発生したMCTを内科治療した症例」

    犬肥満細胞種初診時.png
    (初診時画像)


    治療半年後.png
    (治療半年後)腫瘍の明らかな縮小が認められます。


    本症例のような四肢の皮膚腫瘍の場合、外科切除による皮膚欠損(皮膚がよらなくなることがある)が懸念される場合には外科切除を第一選択とせずに、内科的な治療反応を観察することも重要と考えます。


    「まとめ」
    外科切除が困難な部位には分子標的薬とステロイドを中心とした内科治療(緩和療法)が有効である症例が存在します。MCTの治療を行う場合には、発生部位や腫瘍の悪性度、進行度によって治療方針を決定する必要があります。各種治療の利点欠点を理解した上で治療を選択する必要があると考えられます。

    2019/12/15

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