DIC:播種性血管内凝固
DIC (Disseminated Intravascular Coagulation):播種性血管内凝固
●どんな状態?
腫瘍や炎症などの病気によって血液凝固反応に異常が起こり、細い血管の中にミクロの血栓(血液の固まったもの)が形成されてしまう状態です。
そのために血液を固めるのに必要な血液中の成分や血小板がどんどん消費されてしまった結果、今度は血が固まらなくなるという状態になっていきます。
最初は血が固まりやすくなり、やがて血が固まらなくなるという逆の症状が見られます。
また全身に作られた血栓によって全身臓器に血液が届かなくなり細胞の壊死が起こります。
その結果、多臓器不全という状態に移行しやすく、そのために死亡することも多いです。
●原因
重い病気にかかっているとこの状態になりやすいことが分かっています。
腫瘍や免疫の病気など特定の病気でよく見られます。
●症状
現在かかっている重い病気の症状に加えて、結膜、皮膚、歯肉などで出血が見られたりします。
皮膚での出血は紫色っぽいあざが急に出現すると言う症状で確認されます。これを紫斑と言います。
(紫斑の写真)
重症では黒っぽい血混じりの下痢が見られます。
多臓器不全になった場合、その臓器ごとの症状も出現します。
●診断
血液検査
血液凝固系検査
原因となる重い病気の診断
●治療
原因となる重い病気の治療
血液が固まりやすくなる段階では血液が固まりにくくする治療を。
血液が固まらなくなる段階では輸血による凝固成分や血小板を行います。
●予後
非常に悪いです。
海外ではDICはその高い死亡率から、頭文字をもじって「Death Is Comming」(死がやってきた)と言われることもあります。
早期治療ができた場合はDICになることを予防できることがあります。
なってしまった場合はとにかく大変なので、予防治療が非常に重要です。