猫の膝蓋骨脱臼(cat patellar luxation)
猫の膝蓋骨脱臼は比較的稀であり、2006年の42例の報告(Catherine A. Loughin)では、
34例(約80%)が両側性脱臼
8例(19%)が片側脱臼
95%が内方脱臼と報告されています。
外傷歴が認められたものが7例(16%)と報告されているところから、先天性の筋骨格系の影響が考えられます。
2006年の42例の報告(Catherine A. Loughin)によると 治療結果は
保存的治療で8/17
外科治療で23 / 35 が良好な治療経過と報告されます。
診断は主に触診でGrade判定を行い、犬と同様に4段階のグレード分類により進行度を評価します。
「猫の膝蓋骨内方脱臼 大腿骨滑車形成と脛骨粗面転位術を実施した症例」
●当院では過去の報告例に基づき、比較的若齢の猫に関しては今後発症する骨関節炎や前十字靭帯の断裂を防ぐためにできるだけ早期の手術を推奨しております。
<術前X線所見:4ヶ月例 未避妊猫 両側膝蓋骨内方脱臼 Grade4>
<術中所見:浅い大腿骨滑車溝:4ヶ月例 未避妊猫 両側膝蓋骨内方脱臼 Grade4>
<術中所見:滑車形成後:4ヶ月例 未避妊猫 両側膝蓋骨内方脱臼 Grade4>
<References>
Catherine A. Loughin,JAVMA, Vol 228, No. 9, May 1, 2006
Clinical signs and results of treatment in cats with patellar luxation: 42 cases (1992-2002)
2021/01/10