ふく動物病院

診療科目

ウサギの不整咬合(CT検査)

ウサギは臼歯および切歯がともに常生歯(伸び続ける)であり、歯根の障害が無い限り一生伸び続けるという特殊な性質を持っています。
不正咬合(かみ合わせが悪くなる)により歯は伸び続け、食欲の低下などの様々な症状につながります。主な原因として偏った食生活が挙げられます。ペレットや野菜を中心とした食事では牧草に比べ柔らかく歯を擦切るのに不十分と考えられております。

2024年からCT検査を導入しております。ウサギの避妊手術や去勢手術時にオプションでCT検査を実施することで、現状の歯列の評価を行うことができます。
「症例1」牧草をあまり食べないウサギの歯列

ウサギのCT検査(臼歯の不整が認められるケース)


「Computed tomographic findings of dental disease in domestic rabbits (Oryctolagus cuniculus): 100 cases (2009–2017)」より引用。
ウサギの小臼歯および大臼歯の横断面CT画像。
A正常
B軽度湾曲
C中等度の湾曲
D著しい湾曲

「症例2」臨床症状のないウサギの歯列


臨床症状のないウサギの歯列1

臨床症状がない症例でも一部歯列にスパイクが存在するものもいるようです。興味深い。。
また、100例の報告画像と比較すると、臨床症状が無くても、論文上の「B」軽度湾曲程度の病変がCT上で確認されます。
今までは当院を含め、多くの動物病院がX線検査や耳鏡検査のみでウサギの歯列の評価を行っておりました。
CT検査により医学的な根拠を下に医療介入できることは大変有用と考えます。

「症例3」
臨床症状のあるウサギの歯列(消化管うっ滞)
こちらのウサギは元気食欲がないので、無麻酔でCT撮影することができました。
明らかな消化管うっ滞がX線で認められておりますから、原因疾患と歯列との関係性は不明でした。
しかし、CT撮影後に眼球突出が認められるようになり、再度CT撮影を行なったところ、臼歯が眼科側に突出している画像所見が認められました。
100例の論文画像と比較しても臼歯の湾曲が認められ、歯列異常が認められます。
ウサギ無麻酔CT 臼歯のみ描出

臼歯の不整咬合が疑われる症例では
① 無麻酔下での口腔内精査を行う。臨床症状やHISTORYの評価
② CT検査を実施し歯列の診断評価をする。
③ CT検査後に引き続き口腔内処置を行う

不整咬合1.jpg
臼歯の不整咬合による舌潰瘍
不整咬合2.jpg
臼歯の内側不整過長

治療を終えた症例は1〜2ヶ月の定期的な診察を行い管理していきます。

うさぎ正常.jpg
正常の門歯の歯列
うさぎ不正咬合.jpg
門歯不整咬合

REFERENSES
Computed tomographic findings of dental disease in domestic rabbits (Oryctolagus cuniculus): 100 cases (2009–2017)

2025/06/10更新